予防ケアとは?
かつての歯科医院は、むし歯や歯周病などで歯が「悪くなってから行く所」でした。しかし今は「悪くならないために行く所」へと変わってきています。
歯は一旦悪くなってしまうと、完全に治すことが難しく、時間やお金もかかってしまうためです。
そのための取り組みが「ご自分でのケア」と「歯科医院でのケア」による「予防ケア」です。
毎日のケアと、定期的なプロによるケアで、いつまでも健康なお口を維持していきましょう。
歯を失う原因とは?
日本人が歯を失う原因の1位は歯周病、2位はむし歯です。
むし歯や歯周病の主な原因は、磨き残しで発生する歯垢や歯石。
日本人の7割以上が1日に2回以上歯を磨いているにも関わらず、70歳の方が平均8本以上の歯を失っています。
これは、正しく歯磨きができていないことや、歯科医院で定期検診・クリーニングを受けていないために、セルフケアで落とせない歯垢や歯石が残ったり、むし歯や歯周病の発見が遅れてしまうためです。
いつまでもご自分の歯を残すため、正しいセルフケアと、歯科医院でのプロによるケアを大切にしましょう。
歯を失うとどうなる?
歯を失って入れ歯や義歯になると、噛む力が弱まったり、うまく発音ができなかったりする可能性があり、食事や会話に影響が出るケースがあります。
「噛む」という行為は、脳を活性化すると考えられており、。噛む回数が減る、噛む力が衰えると、認知症のリスクを高めることにつながります。
お口と全身の健康状態は密接に関係しており、歯が残っている人に比べて全身疾患にかかりやすく、医療費が倍くらい違うという研究結果もあります。
噛む力が弱まることで顎の骨や筋肉が衰えていきます。頬が痩せこけ、力のない笑顔になるなど、顔全体的が老けた印象になってしまいます。
失った歯を補おうと歯並びが悪くなってくるため、むし歯や歯周病になりやすくなったり、入れ歯の掃除が不十分になると口臭が発生しやすくなります。
歯は私たちの生活に密着しており、歯を失ってから初めてその大切さに気づく方が多いです。
歯を守ることは、将来のQOL(生活の質)に大きく影響してきますので、早くからしっかりケアしていきましょう。
予防・クリーニングの
メリット
歯科治療の発達により、失った歯を補う治療方法は増えましたが、生まれ持ったご自分の歯より優れるものはありません。詰め物・被せ物も、予防ケアを怠るとむし歯が再発する原因となり、治療を繰り返すたびに歯が削られて弱くなり、歯を失うことにつながります。
いつまでも食事や会話を楽しんで豊かな生活を送るためには、ご自分の歯を大切に使い続けていくことが必要です。
歯医者は痛くて怖いと思う方も多いと思いますが、悪くなる前の予防ケアならそのような精神的負担、時間や治療費の負担も軽くなります。
セルフケアとプロケアで
いつまでも健康なお口を
セルフケアだけでは、歯垢や歯石を落としきることはできません。
そのため、定期検診でプロによるクリーニングも行いましょう。
また、歯科医院に定期的に通うことで、むし歯や歯周病の早期発見・早期治療にもつながります。
歯科医院を「悪くなってから行くところ」から「悪くならないために行くところ」に変えていきましょう。
歯科医院で行う
「プロケア」
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定期検診
むし歯や歯周病は自覚症状がないうちに進行することが多く、症状が出た時にはかなり悪化している場合があります。早期に病気を発見できれば、簡単な治療ですみます。定期的に検診やプロによるクリーニングを受けて、健康なお口を維持していきましょう。 -
歯みがき指導
むし歯や歯周病のリスクを減らすために、毎日のセルフケアの質を上げていきましょう。当院では、予防のプロである歯科衛生士が、お一人お一人のお口の状態に合ったブラッシング方法や必要なケア用品の選び方・使い方を丁寧にアドバイスいたします。 -
スケーリング
適切な歯磨きをしていても、汚れの4割は落としきれていないといわれており、とくに歯垢が石灰化した歯石はブラッシングでは落とせません。
このため、歯石までしっかり落とすには歯科医院でスケーリングが必要で、スケーラーと呼ばれる専用機器で除去します。 -
PMTC
お口の中には、歯垢・歯石のほか、茶渋やヤニなどの色素沈着、むし歯や歯周病菌が繁殖するバイオフィルムなどが付着し、セルフケアでは落とすことができません。PMTCは、歯科医院で専用器具や薬剤を使用して、これらの汚れを徹底的にきれいに落としていきます。
家族で毎日予防!
「セルフケア」
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月に1回、歯ブラシの交換日を決める
新しい歯ブラシで落とせる歯垢を10とすると、毛先の開いてしまった歯ブラシでは同じ磨き方でも6しか落とすことができません。できるだけ効率よく確実に歯垢などの汚れを落とすために、1か月に1回の間隔で新しい歯ブラシに取り替えましょう。 -
よく噛む習慣を
だ液には、食後のお口の中を酸性から中性に戻し、歯の再石灰化を促してむし歯を防ぐはたらきがあります。よく噛むことで、だ液の中にある消化酵素が食べ物の栄養素を効率よく体内に吸収するとともに、脳への刺激が増えて脳の活性化にもつながります。
つける -
フッ素を
フッ素は歯の再石灰化を促す成分です。歯科医院では、お口の状態に合わせた高濃度のフッ素が使えるため、定期的に塗布することで歯の質が強くなり、むし歯の予防に効果的です。ご家庭でも、フッ素入りの歯みがきペーストなどを使うことをおすすめします。
取り入れましょう -
お子さんの
歯が生え替わっている時期のお子さんの歯並びは複雑なため、自分では歯垢を充分に落とせないことがあります。10歳頃まではお子さんが歯磨きをした後に、ご家族の方が仕上げみがきをしてあげましょう。むし歯や歯周病の予防につながります。
仕上げみがきをする
定期的な予防ケアを
歯科医院での予防ケアやクリーニングは、一度や二度では意味がありません。時間が経つとまた歯垢が溜まり、フッ素も効果を失っていきます。
いつまでも健康な歯を保つために、定期的に歯科医院で検診やクリーニングを受け、長期的な予防ケアを行っていきましょう。